グリーナウェイとチョコレートを食べる

グリーナウェイがアムスに住んでいることは知っていた。c0097559_16335100.jpg
夏には国立美術館でレンブラント・イヤーに合わせたイベントをやっていたらしいとか。

ピーター・グリーナウェイ。映画監督。
「プロスペローの本」「コックと泥棒その妻と愛人」「枕草子」わたしの一番好きなのは「ZOO」。動物の腐って行く過程とか、グロテスクだけれど、映像の美しさ、知識の豊富さ、そしてマイケルナイマンの音楽と一体となって、そのセンスにゾクゾクする。

そんな憧れの監督にまさか会えるとは。
c0097559_16324513.jpg
しかも、うちの工房で。。。

始まりは11月半ば。ペトラがこっそり教えてくれた。
「わたし、グリーナウェイと仕事するの!緊張するわ!」

そして次の日、ほんとうに彼は現れた。
来るなり、朗々としたそのイギリス英語で、映画そのままに自己紹介を始めたかと思うと、その後は、1日お昼もワイン片手にサンドイッチをつまみながら、もの凄い集中力で、シルクスクリーンの下絵を描いていた。こちらは、恐れ多くて近寄れず。。。

2回目に現れたのは年明け1月。
今回はちょっとリラックスしていて、わたしと日本人のSさんしか他に制作者もいなかったし、一緒のテーブルでお茶を飲んだり、制作しているところみせて、ってあちらから話しかけて来た。(そういう時に限って、しょぼい作品制作中だったりするんだよねえ)
かたり口調はあくまで映画そのもので、知識の宝庫。まるで歴史の教授とお話してるみたいだった。

「君は18XX年の〜の絵画について知ってるかね?」とか、

私が、絵で食べて行くのは難しいですよね、って話したら、
「ジョン・ケージは自分の作品で生活していけるようになるまで15年かかったと言っている。私も最初のメジャー作品(あ!draughtsman's contact 英国式庭園殺人事件ですね)で初めて生活していけるようになるまで15年だ」とか。

そして、きわめつけは
「私の作品のテーマは、生と死と、そしてエロスだ。」

とキッパリおっしゃていました。確かに。。。(あと「数字」もだと思う)
日本の春画浮世絵の話なんかもしてくれたり、なぜ日本は映画にモザイクをかけるのか、その文化が興味深いともおっしゃっていました。

何故、うちの工房に来たかというと。
工房での次の展示企画が、なんと彼の作品展になるから、ということだった。
展示の内容は、主に、画家でもある彼のドローイング。
ただし、こちらは版画工房なので、何か1点工房の為に製作してもらうことになっていて、
彼が下絵を描き、工房のペトラが刷る。。というプロジェクトだったのだ。

それにしても、
ピーターグリーナウェイと一緒にお茶する。
ピーターグリーナウェイと一緒にレオニダスのチョコレートを食べる。
ピーターグリーナウェイに自分の絵を見てもらう。
わたしってすごいじゃん!?

まあ、彼の作品なんて今となってはあまりメジャーじゃないし、ファンでない人にはどうでも良い体験だろうけど。
オランダに行ったら彼の作品とか見れるかしら、なんて淡い期待をしていた私には、ハリウッドセレブにでも会ったような感じ。いろんな出会いがあってここユトレヒトまで来たけど、こういう縁ってあるんだなあって。
[PR]
by saya-utrecht | 2007-01-30 22:36 | Utrecht Diary '07
<< さよなら、Lauwerstraat スクウォット 80’s >>